雨の日レース

今日も一日が終わった。
外にでると、雨が降っていた。
頭を空っぽにして、黙々と家路を歩く。

ふと、行く手をさえぎるものアリ。
俺のペースを邪魔するやつは誰じゃ。
どうやら仕事帰りの女性の模様。
早歩きのようだが、ちっこいので俺のゆっくりめの一歩で
2,3歩歩いている。
コレが微妙な速さで、追い抜きにかかったがなかなか追い越せず。
歩道が狭いのもあるし、無理やりに追い抜くほど急いでもいない。
車道にでてもいいが、車に水かけられたりするのは嫌だなあ。
あーだるい。。とのろのろと後をついていく形に。
そのうち、後ろから「ガッガッ」と靴を引きずる音。
やべーー渋滞してきたよ。。
俺の後ろを歩くのは何者ぞ。
速度を落として脇に寄ってみる。
めがねをかけた大学生風の男。
その男も先頭の女性を抜きにかかる。・・が、失敗。
フン。それみろ と心の中で鼻で笑う。
かくして、ぞろぞろと歩く3人パーティーの出来上がりだ。
だんだんいらいらしてきたので、2人抜きを試みる。
男を抜くのは楽だ。だが道のど真ん中をあるく先頭のやつに邪魔される。
3人とも傘を差してるので、真ん中だととても困るのだ。
しばらくは、抜きつぬかれつ、熾烈な2位争いが続く。
そのうち大学生も疲れたのか、なぜか俺の隣に並んで歩く格好に。
顔こそあわせるわけではないが、多分隣の奴も
『ほんとこまっちゃうよねえ〜』というような
友情が芽生えているに違いない。
男がわざとらしい咳をしてみる。
しかし先頭の女はまったくお構いなしである。
しばらくトライアングルフォーメーションで進んでいった俺達一行だが、
とうとう広めの十字路に差し掛かる。
男はインから抜きにいった!
俺はカーブを抜けてからアウトから。
・・・・ちょっとまて。みんな左に曲がるのか?
どこまで一緒の方向なんだよ〜〜・・(〜〜;
かくして順位は変わり、男が1位、俺が2位となる。
男もうざいので、追い抜こうとするが、何でお前そんな早歩きなんだ?
あ。俺もかw
そのうち男がちらっと振り返る。あ。そーいえば女はどうなった?
俺も何気なく振り返る・・と、どうも女は横道にそれたらしく、いなかった。
しばらくはや歩きは続く・・が、
ふ。お前のゴールはまだ先のようだな。じゃああばよ!
と俺もわき道にそれ、自分の部屋の扉を閉めたのであった。   完


なんのへんてつもないことで長い話になってしまった><