コンビニ弁当のスパゲッティの謎

よくコンビニ弁当を食していると出てくる、あの申し訳程度のスパゲッティは
一体何のためにあるのであろうか。

一説には単なるおかずであるというものもある
(実際に少量のミートソースがかかっているものもある)が、そうではない。
実際にコンビニにいって並んでいる弁当をしげしげと見つめて欲しい。
あることに気づくはずだ。

この少量のスパゲッティは、主に油物(ハンバーグ、鳥の揚げ物等)や、汁を含む
おかずと一緒に盛られていることが多い。
また、そのメインのおかずと一緒に入っている・・・というよりむしろ、”敷かれている”。

そうなのである。
これは、いわば「スノコ」としての役割を果たしているのである!
脂っこい食べ物の下に敷くことにより、
メインディッシュの容器の底にたまった油がおかずにつくことがない。
このようにして、脂っこさを感じることなく料理を口に運ぶことが出来るのである。
またさらに、焼肉等のおかずであれば、メインを食べたあとにも、肉汁を吸った
いわばグレービーソースがけのスパゲッティを味わうことができ、メイン料理の余韻を
楽しむことが出来る。一石二鳥である。

80年代に入り、コンビニエンスストアが登場、
人々は暖かい弁当を食することができるようになり、
続いて弁当販売も徐々に増えてきた。

そんなとき、とある大手弁当販売チェーンに勤めていた大場和夫さん(当時48)は、
アンケートに「トンカツが脂っこ過ぎる」というクレームを何通も受け付けており、頭を痛めていた。
あるとき、シャワーを浴びて風呂からでようとしたときに、
たまたま排水溝がつまって床が水びだしになっているのに、足がぬれていないことに気づいた。
ナイロン製のスノコを風呂場に敷いていたおかげである。
「これだ!」
すぐさま和夫さんは風呂から上がり、会社に連絡「今すぐ竹串を大量に買って来い!」
トンカツの下に敷いてみる。なるほど。レンジに掛けたあとでも、
トンカツは脂っこくなっていなかった。
コスト上の問題でさらに検討を重ねた結果、竹串にかわり、
そのまま食べることができるスパゲッティが取って代わったのである。

普段何気なく食べている弁当にも、このような歴史があったということだ。




・・・・・というフィクション。
(エンディングテーマ:中島みゆき「ヘッドライト·テールライト」)