憎悪の反芻

人が去って半日と経たない部屋。
疲れた体でソファに腰を下ろす。
静かな部屋に、交わした会話が木霊する。
それは走馬灯のように。
遡りながら印象に残った言葉をひとつひとつ拾い始める。
その鋭く心に突き刺さる残酷な言葉達を。
その突き刺さる感覚はやがて現実のものとなる。
気がつくとグラスは砕け散り、指の間から血がしたたり落ちる。
俺は底だけになったそれを力いっぱい壁に叩きつける。
その音で我に返る。
なぜ あのとき
あいまいな相槌や中途半端な薄ら笑いで
その棘をガーゼに包んだのか。
全ては俺のせいです。
大きな破片は自分の喉元に。